わがままをカタチにした
こだわりの家づくりをご覧ください。
林の中にぽっかりと口を開けたような敷地と出会ったとき、Sさまが考えたのは、家の形でも間取りでもなかった。緑の木々と透きとおった空気の中で、「子どもたちとどう遊ぼうか」ということ。泥んこになって遊ぶ子どもたちが、いたずらな笑顔で帰ってくるのを迎えてあげられる家をつくろう…。「家の中心は、向かいの山の緑や子どもたちが庭で遊ぶのを眺められる大きな窓。そして家の中と外をつなぐ広い土間、そこには薪ストーブがあって、何でもかんでも突っこめる棚なんかもあって、と、どんどんイメージが膨らんでいきました」。もともとアウトドア好きのSさまがこだわったのは、なるべく自然のままに暮らせる家。ふく射熱で空間をやさしく暖める薪ストーブや、季節に合わせて陽射しをコントロールできるオーニング、湿気を吸収してくれる自然素材をふんだんに用いることで、一年を通してエアコンに頼らず快適に過ごせる、体にやさしい住まいに。「子どもも妻もアトピーに悩まされていたんですが、ここに越してから症状がやわらぎました。木々に囲まれながら、季節ごとに表情を変える自然を眺めて暮らせるなんて、我ながら贅沢だなあって思っています」。
「薪ストーブを置いた土間が、わが家のリビング。夏も涼しいし、もちろん冬は何も言わなくても家族が集まってくる」。
腰掛けるのにちょうどいい段差で土間とつながるダイニングには、大きなピクチャーウィンドウに面した幅3.5mのカウンターと本棚が設置されている。「子どもたちは、ここでほとんどの時間を過ごしています。今は、4人家族でくっついて暮らしている感じなんです。だから、1階も2階も間仕切りをなくして、思い切ってオープンな空間にしました」。おかげで、どこにいても家の中を見わたせる伸びやかな空間が出現。随所に収納スペースを設けることで、部屋が散らからない工夫も。「家にいる時間が一番ここちいい。土間のヘリに腰かけて薪ストーブの炎を眺めていると、時間を忘れてくつろげます」。
1階 | 71.00㎡(21.47坪) |
---|---|
2階 | 67.00㎡(20.26坪) |
延床面積 | 138.00㎡(41.74坪) |
土間の北側には、大容量のシューズクロークが。床は土間続きだから、泥んこの長靴や家庭菜園で収穫した野菜も、ここにどっさり置けて、使い勝手は抜群です。また、シューズクロークの隣には、コートやバッグを掛けておけるクロークと食品庫を設置。帰宅後、すぐに身軽になれます。
家族みんなの衣類をまとめて収納しているウォークスルークローゼットは、廊下からも部屋からもアクセスできる3WAY動線が確保されている。換気もしやすく、桐の無垢床を採用することで、大切な衣類も安心してしまっておけます。
ダイニングの窓に面するスタディコーナーに設置された本棚は、無印良品のユニット家具。あらかじめ設計段階から計画しておくことで、壁と一体化されている。大幅にコストダウンできただけでなく、必要に応じてユニットを買い足したり、間仕切りを追加することもできる、便利なアイデア。
お風呂と脱衣所は、2階に設置。洗面を独立させたおかげで、広い収納スペースが確保されています。天井には、部屋干し用のハンガー掛けを設置。
「娘が成長したら、お風呂に入っているときに洗面所が使いにくいかも…。」そんな心配をしたSさまは、洗面スペースをバスルームから独立させた。洗面ボウルが2つ並んだ明るい空間で、親子で並んで歯を磨いたり、髪をとかしたりと家族に大好評。
Sさま邸の2階はなんと一部屋しかありません。つまり、壁のない大空間のみ。そこを必要に応じて移動式の収納家具で仕切って使っています。将来は、おばあちゃんと一緒に暮らすかもしれないし、子どもたちのニーズも変わってくるかも…。将来の状況に応じて変えられる工夫です。