親が感じる「自責の念」と「孤立感」。
相談できる仲間と医師を見つけ
正しい知識を身に付けることが大切です。
環境アレルギーアドバイザー
支援ネットワーク愛知 代表
加藤美奈子氏
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┃ 私の経験ときっかけ
看護師だった私が支援団体を立ち上げて、アレルギーに悩む家族への支援やアレルギーに関する啓蒙活動をするようになったのは、私の2人の娘が喘息となり、子育てと悩みが重なって孤独を感じたからです。はじめは喘息の症状だと気づかず、この子は少し体が弱くて風邪を引きやすい子、という軽い認識でいました。けれどもなかなか体調が戻らず、病院を転々とするうちに、大発作を起こして緊急入院する事態に。重度の喘息のため、5度の入退院を繰り返しました。
┃ 自責の念と孤立感
私もそうでしたが、アレルギー疾患の子どもを持つ親は、「自分の子育てが悪いのだろうか」「遺伝させて申し訳ない」と自分を責めたり、悩みを打ち明ける相手がいなくて孤独を感じたり、なかなか症状が改善しないことにイライラを募らせ、いくつもの病院をめぐり歩いたりしがちです。また、子どもに八つ当たりをしてしまう、自分を責めるなど、負のサイクルに陥ることもあります。ですから相談できる仲間、信頼できる医師との出会いが何より大切。また近年はWEBサイトやSNSでどんな情報でも検索できる時代。自分が信じたい情報だけを収集して、間違った対処法を選んでしまうことも多いので、アレルギー専門医といわれる医師、もしくは研究者や専門家から正しい知識を学ぶことが必要です。
┃ 空気質に気を配る
2014年にアレルギー疾患対策基本法が制定され、食物アレルギーについての対策は少しずつ進展しています。けれど花粉や化学物質など環境由来のアレルギー対策についてはまだまだこれからです。住宅の空気質に気を配り、まめに換気をすることやカビ・ダニを抑制することは、アレルギー対策に効果があるだけでなく、子どもの睡眠の質や集中力アップにつながるという研究結果もありますので、患者さま含め、たくさんの家族にできる範囲で取り入れてもらいたいですね。